安倍ちゃんの天才的発想「20円で1万円を刷るんだから9980円が政府の利益」

2012年12月2日に安倍自民党総裁(総理大臣になる前)が演壇に立ち、自身がリフレ派に転向した理由を次のように語っていました。

  安倍総裁(現・内閣総理大臣):
  日銀は紙とインクで(紙幣を)刷るわけでありますから、20円で1万円を刷るんですから、9,980円貨幣発行費(益)が出るんですよね。
 貨幣発行費については基本的には政府に納付しますから、これは政府が紙幣を発行するというのと同じというふうに考えていただいていいと思います。

  これは余り政治家が言うと、円の信任を傷つけるケースがありますから、これを余り言うことは控えておきますが、
 まぁそういった仕組みになっていますから孫子の代にツケを残すということにはならないと申し上げておきたいと思います。


日銀が国債の買いオペレーションで市場に1万円を供給すると、紙とインク代の20円を引いた9,980円が通貨発行益になると主張しています。
上記の安倍総理の話をYouTubeの動画で初めて視聴した時、私はあまりのトンデモ論ぶりに椅子から転げ落ちそうになってしまいました。
安倍総理は初歩的な誤認を犯しており、アベノミクスは明らかに間違った理論に基づいて実行されています。
私の中で、特に政治的にどうこうはないのですが、こういう誤認からリフレ政策に舵を切ったのなら、残念でなりません。
日銀は無から通貨「円」を生み出しているわけではありません。帳簿には借方と貸方があり、常に「何か」と等価交換しています。
多くの場合、日銀は政府の国債と交換して通貨を発行しています。

政府が1万円の国債(期限:1年、金利1%)を発行して、日銀が市場を通じて買ったとします(買いオペレーション)。
(略)
(1年後)日銀の手元には元本1万円と利息100円が返ってきます。この利息100円が通貨発行益(シニョリッジ)です。


日銀は、毎年3月末の決算から2ヵ月以内に発生した通貨発行益を、国庫納付金として政府に納めています。
上記の例で言えば、9,980円が政府に納付されるのではなく、利息の100円だけです。